*2005年1月9日に放送された題名のない音楽会の文字起こしです。
**の部分は個人的な感想とかです。**
オープニング
ヌッツォの映像が流れると共にナレーション。(以下、ナレ)
ナレ ジョン・健・ヌッツォさんは2000年にウィーン国立歌劇場専属歌手として契約。
また、2003年には、第13回出光音楽賞受賞。現在、国際的に注目をあびられているテノール歌手です。
さらに今日はジョンさんの友人でもあるウィーン国立歌劇場の専属歌手の方々もお招きし、
新春にふさわしい本格的なオペラをお送りします。
------------あいさつの場面--------------
三人 おはようございます。
司会者の羽田健太郎さん(以下、羽田)
羽田 2005年、最初の『題名のない音楽会21』、どうぞ皆さん、この番組を今年もよろしくお願い致します。
今年最初の放送は、「新春!ジョン・健・ヌッツォ」と題しまして、いまや世界をまたにかけて大活躍中の
テノールのジョン・健・ヌッツォさんをお迎えしております。
ヌッツォ 皆さん、あけましておめでとうございます。
司会者の大木優紀さん(以下、大木)
大木 さぁ、今日はジョンさんが今、もっとも力をいれているモ−ツァルトのオペラの世界を
お楽しみいただきます。
羽田 ジョンさんにはこの番組でオペラ、それからドイツリート、それから日本の歌謡曲まで
その幅の広いところをご披露していただきましたけど、今回はモーツァルト。
モーツァルトとの思い入れの部分をたっぷりと聞かせていただきたいのですが最初の出会いというのは?
ヌッツォ 僕はね、やっぱり乳母車の小さいときの写真を見ると、あの〜、母がこう、常にそこにレコード、
カセットレコードを置いといてそれが「なんだったの?」と聞くと「何言ってんのよ、モーツァルトよ」っていう感じで、
小さい頃からモーツァルトを聞いていて、そして、大学に行ったときに声楽の先生に初めてもらった曲が
モーツァルトのアリア。
そして、ウィーン国立歌劇場のオーディションしたのもモーツァルト。
で、まぁモーツァルト、モーツァルト、モーツァルトと、導きかれてきました
**ここで赤ん坊の頃のヌッツォの写真が出る。まさに典型的なハ−フの天使がそこには写っていた。
この天使がいったいどうやって今現在、こんなにも爽やかなナイスガイに成長したのでしょうか。**
羽田 大事な節目節目って必ずジョンさんの場合、そこにモーツァルトがいたということですね。
大木 そうなんですね。
**ここでヌッツォ一曲目、オペラ「コジ・ファントゥッテ」より“いとしい人の吐息”を歌う。**
---------------インタビューその2-----------------
大木 ジョンさんにとってモーツァルトとはどんな存在ですか?
ヌッツォ あの〜、歌っていると、何も間違いかくせないんですよ。
だから裸の状態で歌っているような感じがして、今言ったように、モーツァルトで始まるんですけど、
やはりみんなプロの方もモーツァルトに戻ってきて、モーツァルトを何度もチャレンジして、本当にね、モーツァルトを
ずっと歌い続ける、聞き続けるっていう・・・。う〜〜〜〜〜〜〜〜ん、難しいですよね、シンプルの中にある難しさというか。
羽田 モーツァルトと言えば、ザルツブルグ生まれでウィーンで活躍した・・。ジョンさんも今、ザルツブルグとウィーン、大活躍
なんですけど、実際行ってみて、モーツァルトへの「思い」っていうのは変わりましたか?
ヌッツォ やっぱり身近に感じるというか、それほどにモーツァルトが何を、印象…、例えば鳥の声とか、山とか、その
インスピレーションでいろんな曲を書いたのか。…あとはザルツブルグの小さな町なんですけど、
その中から偉大な曲をかくモーツァルトのイマジネーションの広さというか、心の広さ…いろんなとこにふれられましたね。
大木 さぁ、今日はモーツァルトが活躍したその場所、ウィーンからジョンさんのお仲間に来て頂いています。
ウィ−ン国立歌劇場の専属歌手であるソプラノのイリアナ・トンカさん、そしてバリトンのボアズ・ダニエルさんです。
ナレ イリアナさんは美貌と美声に恵まれたソプラノ歌手、モーツァルトにあう透明な声が魅力です。
ボアズさんは以前、コンピューター技師をやっていたという異色のキャリアのバリトン歌手です。
羽田 イリアナさんにまず伺いたいのですが、ウィーンのお正月はどんな雰囲気だか教えて下さい。
イリアナ 「○×△□…(略)」
ヌッツォ(訳) 『小さい頃からウィーンをの思い出と言えば、ウィーンフィルのニューイヤーズコンサ−ト。
本当にその素晴らしいコンサートの音とその全ての雰囲気に囲まれての思い出』というか
それが彼女にとってのニューイヤーズみたいですね、ウィーンの。
羽田 それではボアズさんに伺います、大変モーツァルトをお得意とされてると伺ったのですが、
ボアズさんにとってモーツァルトってどんな作曲家ですか?
ボアズ 『○×(略)』
ヌッツォ(訳) 『バリトンとしては、このオペラの中で唯一、ドンジョバンニとかフィガロの結婚とか
バリトンを主役にかいてくれるんで、バリトンとしても大好きな作曲家』だそうです。
*羽田司会者とイリアナ、ボアズの両者間の架け橋となるヌッツォ。さすが五つの国の言葉を喋れるヌッツォ。
**ここで歌の場面、オペラ「魔笛」より“なんと美しい絵姿”(ヌッツォソロ)、
“パパパの二重奏”(イリアナさんと、ボアズさんの二人で歌いました)が流れる。**
大木 ジョンさん、今、特に力を入れて取り組んでいらっしゃるモーツァルトのオペラがおありなんですよね。
ヌッツォ えぇ。『ツァイーデ』っていうオペラなんですけど、これは僕がザルツブルグの時に知ったんですけど。
大木 はい。
ヌッツォ 彼(モーツァルト)は24歳くらいの時にかいた未完のオペラで、僕からすると本当に彼が
自分自身のためにかいたオペラ。あの〜、そういうオペラがあるんですよ。
羽田 宮廷なんかの為にかいたのではなく?
ヌッツォ そうですね、このストーリー内容も、最初から苦悩で始まり、恋に落ちて、「その人と逃げ出したい」、
「王様から逃げ出したい」。…彼、ちょうどあの、ガールフレンドにフラれて、好きな人にフラれて、
母を亡くして、そしてそのお父さんからも逃げ出したいという気持ちを持っていた彼が…。
その、歌ってみて、すごくなんか、こう、『これはやっぱ彼の気持ちなのかなぁ』っていう…、
うん。そんなオペラですね。
**ここで歌の場面、オペラ「ツァイーデ」より“おお、幸いの喜びが”をヌッツォ、イリアナ、ボアズの三人で歌う。
最後、オペラ「トゥ−ランドット」より“誰も寝てはならぬ”をヌッツォが歌って終了。
拝んでるヌッツォの姿が拝めました。**