佐渡裕プロデュースオペラ2008「メリー・ウィドウ」

指揮 佐渡 裕

ハンナ・グラヴァリ 佐藤しのぶ
ミルコ・ツェータ男爵 平野忠彦
ヴァランシエンヌ 並河寿美
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵 大山大輔
カミーユ・ド・ロション ジョン・健・ヌッツォ
カスカーダ子爵 小貫岩夫
ラウール・ド・サンブリオッシュ 花月真
ボグダノヴィッチ 池田直樹
シルヴィアンヌ 平みち
ニエグシュ 桂ざこば
プリチッチ 泉良平
プラスコヴィア 押見朋子
クロモウ 久岡昇
オルガ 鈴木純子
合唱 ひょうごプロデュースオペラ合唱団
管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団
ダンサー/助演 夏山周久、吉元和彦、山田薫、ほか

6月26日。


親も友人も仕事も捨てて行くと決意をした「メリー・ウィドウ」の日がやってきた。(ぇ)


この日は朝から大変だった。
前日は早く寝ようと思っていたのに、そういう日に限って残業になるんですよね。
家に帰ったのが8時過ぎ。

26日は空港に6時には着いていないと大変な事になるんで、
それを考えて逆算したら遅くても3時に起きないと飛行機間に合わないというトンでもスケジュールだったんで、

「これでもし寝過ごしたら、死んでも死にきれん。

という一種の強迫観念に駆られたため一睡も出来ませんでした。
4時になって、ちゃっちゃっともう空港行っちゃおうと出発。

しかし、あれですね、遠くに行くってだけで気分が高揚するのはなんででしょうね?
朝から気分がハイテンションです。
思わず、歌いながら出かけました。

♪カントリーロード〜この道ぃ〜
♪ずぅっとぉ〜〜〜〜いけ〜ばぁ〜〜〜〜
ジョン健に〜つづいてぇ〜るぅ〜
気もしない〜〜カントリーロード〜〜〜



…どうも失礼しました…。


途中でとっても長い信号に捕まったので、(早朝の赤信号って長いですよね。)
なんか不安になったのでカバンの中身の最終チェックをしました。

「お金OK。」
「携帯OK。」
「飛行機のチケットOK。」
「服装は………。えぇいっ!もうこの際、どうだっていいや!!!」(ぇ)

よしよし、準備万全!!!


…ん?

あれ、オペラのチケットはどこへ入れたっけ?
昨日の記憶を思い出してみる。





数秒後。





ブオオオォォォォオンッ!!!!!!
(爆音を立てながら家に引き返す音)





あぁー、いけない、いけない。
一番やっちゃいけないオチをやりそうになりました。
戻ってチケットつかんでそのまま握ったまま急いで空港に向かいました。
心の中で「今日は大変な一日になりそうだな…。」と思いました。

ヌッツォのオペラのチケットを手に取るのはこれで2回目。
1回目は新国立のコジだったんですけど、色々あって手放してしまった。
あれから3年たったと思うと月日って言うのはなんとも凄いものだなぁって思いました。

飛行機で生きた心地のしなかった時間を過ごして、やっと大阪に到着。
わかっちゃいたけど、やっぱり異文化ですね。
みんな関西弁。エスカレーターは反対だし。

それから神戸に向かいました。
神戸についてしばらく歩きながら街を探索。

阪神・淡路大震災から13年。
13年でこうも変わるのかぁ…。
まるで何もなかった(と書くと語弊がありますね…。)ような普通の街並みでした。
三宮、元町は若い人向けのお洒落な街で、ちょっと歩けばパン屋がたくさんありました。

海のほうに向かって歩くととても大きな観覧車もあったし、海にはたくさんの船があった。
海の側にはボートタワーもあって、何事もなく観光客が大勢来ていた。

それからちょっと早めに西宮にある会場へ向かいました。
兵庫県立芸術文化センターは震災から10年の節目で作られたそうです。
実際見て、10年でここまでの物を建てられるって本当に凄いなと思いました。

開場まで時間があるので周辺をカメラで記念撮影。
近くにちょっとした「憩いの広場」的なスポットがあったのでそこでお昼をしました。
お昼をしたら強烈な睡魔が襲ってきました。

このまま寝たら多分、起きるのは全てが終わってからになってしまうのでなんとかしないと…。

困った。

上まぶた君と下まぶちゃんたが愛し始めましたよ。
君達、仲がいいのはわかったから、せめてオペラが終わるまでは離れていてくれないかえ?

うつらうつらしながら、開場の時間になったので中に入りました。
中に入ったらテンションがあがって睡魔もぶっ飛びました。
入り口には左右に出演者宛のお花がたくさん置いてありました。
どれも豪華です。

プログラムをもらって、さっそく着席。
あらすじを頭に叩き込む。
今までオペラやコンサートの前は一応予習しているんですけど、今回はなんも
勉強できないまま来ました。

そんなわけでとりあえずメリーは置いといて、指揮の佐渡さんの勉強をしてました。

指揮者も色んなタイプがいて面白いですよね。

繊細な指揮で表現する人
ダイナミックな指揮で表現をする人
そして顔の表情で表現する人(ぇ)

そういえばキリンニューイヤーコンサートの時、生まれて初めてお尻で表現する人を見ました。(待て)

佐渡さんの「魔法使いの弟子〜フランス音楽の祭典〜」というアルバムをこの前買いました。
とっても良いアルバムで1000円とお安いので興味のある方は是非是非聴いて見てください。
オススメは「ファランドール」と「ヴィーヴォ」。
とっても神々しい指揮をしています。

ちなみに指揮だけじゃなくてアルバムのジャケットも神々しいんですよ。


千手観音様みたいですね。
なんというか、音楽で世界中の全ての人々を救うみたいな感じ?

今回は3階席。
せっかく神戸まで行くのに…とちょっと思いましたが、オペラ初心者なので、こういう端っこの席は落ち着きますね。


ま!E席だけにイイ席だよね☆



…うおぁぁ。なんだか悪寒が…。



3階からだとオーケストラピットが丸見えです。
こういうの見るのは大好きなのでありがたいですね。


あ。そうだそうだ。
実は今回、本格的なオペラっていう事で、家から“オペラグラス”なるものを持参しました。
やっぱり表情とか見たかったんで。

でも、使わなかったんですけどね。

なんでかっていうと理由が2つあってですね。

1つ目の理由はは使わなくても舞台が見れたこと。(視力2.0だから結構見れました。)
2つ目の理由は…隣に座った女性が、カバンからとってもお洒落なオペラグラス取り出していたんですよ。

こんなやつですよ↓



超オシャレ。


こんなオシャレなもの取り出されたら、自分の持ってきたやつなんて、
お金積まれたってカバンから取り出せません。


本当に恥ずかしくなってですね。
どんなものを持っていたのかなんてここでは載せられませんが、一言で書くと



お星様を見る為に使うようなやつです。

あ〜。恥ずかしい…。
今度はちゃんとしたやつ買って行こう…。





照明が暗くなって佐渡さんが登場。

いよいよ始まります。

佐渡さんがしゃがんだら横から誰かが出てきてカツラをかぶって指揮台に立った。
その人が振り返ったら下の客席から笑いが起こったのでなんだろうと思ったら、
ニエグシュ役の桂ざこばさんが佐渡さんと摩り替わって登場したとこだった。
3階からだと交代しているのが丸見えだったから、一瞬、笑いに乗り遅れた。

桂さんはナビゲーター的な役割をしていて、冒頭から観客に向かって
オペラをわかりやすく説明したりしていました。

あらためて佐渡さんが指揮台に立ってオペラが始まった。

佐渡さんの指揮って始めてみたんですけど、なんていうかな、すごいカッコイイ指揮をする人ですね。

序曲とともに幕があがるとスクリーンがあって映画のように文字が映るようになっていました。
最初に、

The Merry Widow

っていうタイトルが。

おぉ〜、なんだかチャップリンの時代の頃のクラシック映画みたですね。

それから映画のエンドロールみたいに出演者の名前がクレジットされていく。
主役の佐藤さんを筆頭に次々とピンで流れていく。
途中で、こんな感じ↓に

ちょっと文字が小さくなってスタッフの名前が2列になって表示されて。
たくさんの人がかかわっているんだなぁって思っていたら唐突にこんなものが表示されました。






でかっ!!!

なんというインパクト。

3年前、友人に「今度、ジョン・健・ヌッツォのコンサート行くんだ」って話したら
真顔で、「ねぇ、それって本名?」って真剣に質問されたことを思い出しました。


ところで…、



本名ですよね?(誰に向かって聞いている)


クレジットも終わりスクリーンも上に向かってあがってったら、本格的に物語が始まりました。
舞踏会のシーン。みんな正装で舞踏会のシーン。
いきなり人が大勢いてちょっと面食いました。

よく見たら、冒頭からヌッツ…じゃなかったカミーユが出ていた。さり気なく周りと溶け込んでいました。
カミーユは黒の燕尾服がよく似合いますね。珍しくひげもありました。

扇子に何か文字を書いて、

カミーユ「あなたのことを、あ・い・し・て・い・ま・す」(書いた文字を読む)

うぉっ!始まって早々口説き始めましたよ!!

嬉しそうなヴァランシェンヌ。

2人で2重唱を歌って抜け出します。
この時は序盤だからちょっと緊張気味に歌っていました。
でも聴いた瞬間に「よっしゃ、絶好調!」と心の中でガッツポーズしました。


今回のオペラは日本語上演なんですけど、ご丁寧にも日本語字幕も表示されるようになっていました。


それからハンナの登場シーン。

ここはかなり笑いました。
リムジンで登場したんですよ。
時代的に車はもう登場している頃だけど、いや、まさかリムジンとは…。
ちなみに世界で一番最初にガソリン車が登場したのは1885年ごろ。
その頃の日本はと言えば、伊藤博文が初めて内閣総理大臣になって
日本がやっと近代国家の道を歩み始めてました。

ダルメシアン(本物の犬)と一緒にハンナが登場!
ハンナは最初真っ黒なコートを着ていたんですが、
その格好が、ダルメシアンと一緒に出てきたせいか
101匹わんちゃんのクルエラに見えてしまった。

コートを脱ぐと…。

うぉっ!!眩しい!!!

もんのすごい豪華な衣装でした。

で。

ハンナ役の佐藤しのぶさん。
初めて見たんですけど、なんていうか、可愛らしい方ですね。
死語になっていると思いますが言わせてください。




胸にキュンときました。(笑)



次はダニロの登場シーン。

ハンナとは対照的にチャリンコで爽快に登場しました。
最後、自転車からハデにこけたのは演出だと思いますが、
いや〜、体はっていますね〜ダニロ。

それからハンナとダニロのやり取り。

ここら辺の雰囲気はなんていうのかな、
なんとかは犬も食わないという感じですね。



で。

それから色々とあって(超省略します。)
ヴァランシェンヌがハンナにカミーユを紹介します。

カミーユ「ヴァランシェンヌ!」と叫んで。

ヴァランシェンヌはハンナに「この人(カミーユ)踊りも上手なの」とアピールします。

心の中で、
「ヴァランシェンヌ、その人踊りも上手いけど歌はもっとべらぼうにブラヴォーだよ。」と言いたくなりました。

…あぁ、本日二回目の悪寒が…。

ハンナはカミーユをそっちのけにダニロと踊ろうと提案します。
しかし素直になれないダニロはその踊る権利を1万フランで売ると言い出します。
値段にビックリして退散していく大勢の男達。
その様子を勝ち誇ったような笑顔を浮かべながら見るダニロ。

おそらくダニロの頭の中には「完全勝利」の文字が浮かんでいた事でしょう。

そんなダニロの後ろでお財布を取り出す男が1人。

パリの誇るリーサルウエポン、カミーユ・ド・ロシヨン君です。

ヴァランシェンヌにハンナを紹介されたのが面白くないために権利を買おうとします。

強敵出現に焦るダニロ君でしたがここでヴァランシェンヌが止めに入ります。

カミーユ「ヴァランェンヌ!!なぜだ!?」(みたいな事を言っていました)

ハンナとヴァランシエンヌ。
ダニロとカミーユ。
男と女、それぞれのプライドをかけた火花の散り合いが面白かったです。

…オペレッタって事はわかっているんですけどね、
君達、素直になれよ。と思いました。
意地の張り合いをやっているとさぁ、取り返しのつかない所まで行く事もあるんだからさぁ、ね。

いや、本当にね、素直は宝だと思いますよ。

…自戒の念をこめて書いてみました。

それから「女・女・女のマーチ」。
7重唱ってやっぱり迫力ありますね。

オーケストラピットの前にも迫り出した舞台があって、出演者がそこまで出てきて歌ってくれました。
いや〜オペレッタって本当にいいもんですね。(水野晴郎さん風に)

歌い終わって大拍手。


指揮をしていた佐渡さんが客席に振り返ってお辞儀をした後に
オーケストラの方を向いて左手の人差し指を立ててそのまま
天井へ向かって高く突き上げた。
(佐渡さん、カッコよすぎです、その御姿。)

大変な事が起こりました。
なんともう1回やるそうです。


なんていう贅沢さ。


2回目ももちろん大拍手。

すごいよ、皆さん。

それから休憩。

本来は休むべき時間なのだろうけど、自分は興奮しすぎて、
外で「最高!!来た甲斐があった!!!」と知人達へメールを送りまくっていました。
そんなわけでトイレに行くのを忘れました。(汗)


そして第2部

いきなりパーティーの場面。
皆さん衣装が変わっていました。

パーティーという事で照明がとっても明るくて、角度的に自分の席からだと
舞台が金色に光っているように見えて眩しかったです。

カミーユも衣装を変えて出てきました。
それがですね。真青な異国の服なんですよ。
まるで金色の野原に立っているみたいな感じで。

(ここまで読んで、オチが読めた人が何人いるんだろう。)





そのもの 青き衣をまといて 金色の野に降り立つべし



古き言い伝えは本当でしたよ。


そんなわけでお次は「ヴィリアの歌」。
よくヌッツォの歌の事を自分は“ビンビン”と表現するんですが、佐藤さんの場合は
“ギンギン”て言う感じですね。体に突き刺さってくる感じで。
なんて書くと刺々しいイメージがありそうだけど、そんな事全然なくて。

ギンギラギンにさりげなくってきっとこんな感じなんでしょうね。


あと、この歌の時の佐渡さんの指揮がとっても印象に残りました。
どう印象だったかって言うと、、、上手く言葉に出来ないので、

ちょっと絵に書いてみたんですが、↓



佐渡さん難しいね。



ごめんなさい。もっとよくわかりませんね。
ていうか誰だ貴方は状態ですね。(涙)
佐渡さん始めて描いたけど、難しいですね。
(生で見れたらもう少しまともに描けたかなぁ…)



場面は変わってカミーユとヴァランシエンヌのシーン。
個人的に今回のお話のメインイベントがやってきました。


都合よく扇子を拾ったカミーユに
ヴァランシェンヌは「私は貞淑な人妻です」と扇子に書いてカミーユに渡します。

カミーユ「ヴァランェ〜ンヌ!」「ヴァ〜〜ランエェ〜ンヌ!」「ヴァ〜〜〜ランェ〜〜ェンヌッ!!」

え〜っと、実際の舞台では色んな台詞をカミーユは喋っていたんですけど、
“ヴァランシェンヌ”の発声のよさばかり気になって覚えていません。すみません…。(ぇぇぇぇぇ)

「わたスィは六甲」と言い、S音が素晴らしいですね、ヌッツォは。好きだー。(どさくさにまぎれて書いてみた。)


カミーユの甘い歌声を聴いてヴァランシェンヌは拒絶しきれなくなりました。



そりゃー、こんな良い男がこんな良い声で目の前でこんな
甘くて熱い歌声で迫ってきたら断わりきれませんよ。

これを断わるだなんて、どんだけ大和撫子なんでしょうね。


そして2人であずまやへ入っていきました。

すぐにダニロ君たちがやってきて中の様子を見ます。
ここのシーンはかなり笑わせてもらいました。
具体的に書きたいんですが、
「ジョン・健・ヌッツォのガイドライン」はよい子もわるい子も関係なく楽しめるサイトを目指しているので、
残念ながら今回は軽くR指定で自粛させて頂きます。(笑)

いや〜っ、激しいですねぇ。(何が)



で、色々とドタバタありまして中からカミーユとハンナが出てきます。
(ヴァランシェンヌと直前に入れ替わったので。)

ハンナ「私、この人と結婚します」とカミーユと結婚宣言。

ショックを隠せないダニロ。

この勝負、ハンナの勝ちです。




ここで舞台が暗くなりました。

しばらくして1階の客席の後ろからどよめきが起こりました。

下を見るとざこばさんとシルヴィアンヌ役の平らみちさん(元宝塚)がタキシード姿で客席の後ろから登場していました。
2人とも交互に喋りながら客席の間の通路を通って、舞台へ向かって歩いて行きました。
途中で握手を求めるお客さんがちらほらいた。

…これって確か「佐渡裕 芸術監督2008 プロデュース 喜歌劇 メリー・ウィドウ」だったよね???


いつからここはになったんですか。


ざこばさんが客席の人に向かって
「あなた、会った事ある!!エッフェル塔で会った!」とか言っていて、それが本当の話でビックリしました。

すごい記憶力です…。

舞台に上がって、平さんが少し宝塚の歌を歌ったり、2人でタップダンスを披露してくれました。
ざこばさんのタップダンスは見ていて微笑ましかったです。

きっと千秋楽の日にはかなりすごい事になっている事でしょう。

幕が上がって、ハンナ邸のシーン。
ハンナの衣装はとうとう最終形態へ。

いや、本当にハンナの衣装は豪華だったんですよ。
最初はピンクのキラキラ衣装
その次はグリーンのキラキラ衣装
ハンナの後ろに装置をつければ、
ひとり紅白歌合戦とか、ひとり小林○子とかできる位の豪華さ。


そして最後のハンナの衣装は…。


うわああぁぁぁぁっ!眩しい!!眩しすぎるよっ!!!

全身ゴールド。



すごいよハンナ。
これでもかって言うくらいに
金にものを言わせた衣装ですよ。


頭にもなんだかよくわからない巨大な金色の塊(あれ、名前なんていうのかなぁ?)を乗せて
「首痛くない?」とつい思ってしまった。




さすが関西でしか出来ないようなオペレッタ。


これが
大阪名物・金の鯱(しゃちほこ)

、、、って、それ名古屋だ。



そしてカンカン。



これも豪華。
めまぐるしく舞台が変わってたくさんの人が踊ります。
これだけ大勢だとものすごい迫力です。



途中でどこかで聴いたことがあるメロディが…。



♪カステラ1番、電話は2番



あれ?これはカステラのテーマソングじゃないですか。(「天国と地獄」)



この時は舞台の踊りも凄かったんですけど、それ以上に佐渡さんの指揮が
凄かった。

右手はグルングルンと何回も勢いよく振り回し、
左手は左右に激しく動かして。
極めつけは飛んでいた。(指揮棒じゃくて、佐渡さん自身が)

もう佐渡さんの半径1メートルには誰も近づけないってくらいの激しい指揮で、
それに応えるようにオーケストラが壮大に、力強く演奏をしていました。

さすが千手観音佐渡…。(待て)

自分が3階席で良かったです。
こういうのが見れるって貴重だなって思いました。

というか、1階でこれを聴いていたら、
あまりの凄さに鼻血を出して失神する自信があります。


その後の展開は予想通りハッピーエンド。

やっぱり好きな人の前では素直に生きなきゃね。
(自分に言い聞かせるために書いてみました。(ぇ))



グランドフィナーレ。
結構長かったです。
これでもか、これでもかってくらいのてんこ盛り。
頭上からミラーボールが登場して度肝を抜かれました。
大合唱の他に今まで登場してきた曲のアンコールが。

本日2回目の「ヴィリアの歌」。
うおぉぉっ、すげぇビブラート。どこからこういう声出てくるんだろう。

それからカミーユのロマンチな歌。
ぬおぉぉぉっ、甘い。甘ったるすぎるよ。
さっきよりすごい甘い。高音の伸びがさっきよりあるですよ。
そして今聞くとちょっと切ない。
切なくて胸が苦しくなりますよ。

甘っ苦しいよ。(よくわからない表現になってきた。)


なんだか物語的にカミーユだけあんまり幸せじゃないような終わりかたなような気もするけどね。
でもちょっと考えてみてくださいよ。
カミーユがあれだけの情熱でヴァランシエンヌに迫らなかったら、
2人であずまやに入る事もなかったじゃないですか、
そしたらダニロとハンナはずっとあのままだったってことじゃないですか。


カミーユありがとう!
君のお陰で物語が大団円だよ!!
君にもきっと幸せが訪れるからさー。
とりあえず、イタリアの田舎に行って、インチキな薬売りから安酒を買って飲んだら
君にも新しい恋がやってくるハズさー。(物語違う)



あー。良かった。良かったよヌッツォ。
上手くいえないんだけどさ、本当に嬉しいですよ。
ヌッツォの歌、最初に始めて聞く予定だったのは新国立のコシファンだったんだけどちょっと無理になってさ。
それからコンサートに何度か行って、アリア聴くたびに、オペラだとどんなんだろうって思ってて、
ずっと楽しみだったんだすよ。

あぁー。良かった。本当にね。良かったよヌッツォ。




最後にタキシード姿になった佐渡さんが舞台に上がって大きな拍手。

ざこばさんが指揮台に立って(!)演奏が始まると佐渡さんがちょっとだけ歌ってくれました。



佐渡さん。





良い声してはる。




最後は身も心も関西人になって楽しめました。

本当に、ここまで来た甲斐があったなぁとつくづく思った公演でした。

佐渡さんが指揮して、それに応えるオーケストラ。
その音楽に乗って歌う歌い手がいて、それに惜しみない拍手を送る観客がいて。
そういう空間の中に自分もいれたという事は、本当に幸せだなぁと思いました。
グランドフィナーレの時の出演者全員が笑顔で、
その笑顔の裏にどれだけの血と汗を涙を流したかと想像すると頭が下がる思いでした。

嬉歌劇で、本当に笑わせてもらったんですけど、最後はなんだか涙が出てきました。
きっと笑いすぎかな。











さて。


これで今回の感想は終わりなのですが、最後に自分、どうしても書いておきたい事があるので
ここで書きます。(まだ書き足りないのか)



オペレッタも十分、楽しくて笑えたんですけどね。

やっぱりね、

筋書きのないハプニングに勝る笑いってないと思うんですよね。


グランドフィナーレの最後の最後。

上からバーンとクラッカーが派手に鳴りました。
ここで観客の盛り上がりは最高潮。

良い終わり方でした。












でもその時、僕は見逃さなかった。

























そのクラッカーの中から飛んできたテープが、












ヌッツォの顔面に直撃したのを。













「あっはっは!!」(超大声)

その時のヌッツォのビックリした顔が自分の笑いのツボにはまって、
今回の公演で、一番笑ったのがそのシーンでした。




…人として最低した。ごめんなさい。
*その時のヌッツォは、「わぉっ!」みたいな感じでビックリしながら笑っていました。





そして終演後に

「次のオペラいつだろう」って強欲な事考えながら帰ったのでした。




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